掲載日:2021年12月14日
執筆者:Johannes Strasser | Westernacher – SAP S/4HANA Finance & Business Process Intelligenceソリューションコンサルタント
このブログシリーズの冒頭でもご紹介したように、SAP Signavio Process Managerを活用することで、ビジネスプロセスを完全に再構築できます。SAP Signavio Process Managerは、予測不可能なビジネスの変化や規制の変更への迅速な対応、プロセスリポジトリの調整・拡大、ビジネスプロセスのシミュレーションによる代替ビジネスシナリオの定義など、さまざまな面で企業をサポートします。今回の記事では、SAP Signavio Process Managerを詳しく検証し、ビジネスプロセスのパワーを活用してニューノーマル時代で勝ち残るための戦略についてお話しします。
SAP Process Managerとは?
直感的なビジネスプロセス管理(BPM)ソリューションであるSAP Signavio Process Managerは、高度なプロセスモデリングをサポートします。このツールを使うことで、ビジネスプロセスのモデリング、分析、シミュレーション、最適化が可能となり、業務を支えるビジネスプロセスを構築・監視できます。
また、財務、人事から、製造、販売に至るまで、ITシステムの境界を越えた1つの一貫したビジネスプロセスランドスケープにより、効率と効果が向上します。組織内の全プロセスにアクセスできるため、全社的な透明性も確保できます。これにより、関係者全員がプロセスと意思決定のモデリングを行えるようになります。
さらに、カスタマージャーニーとビジネスプロセスを結び付け、顧客体験を向上させることができます。
それでは、SAP Process Managerがもたらすさまざまな利点を詳しく見ていきましょう。
SAP Process Managerの利点
プロセスと戦略
- ビジネス領域全体に関する深い洞察を提供し、生産性を向上させ、コストを削減する
- プロセスと全社戦略の整合を図り、大規模な戦略的事業計画の実施を後押しし、規制変更への迅速な対応を可能にする
- こうした有益な機能により、企業の持続可能性を確保できる
プロセスモデリング
- シンプルなプロセスモデリングで業務活動の効率化を図る
- ビジネスプロセスを容易に作成し、新しい業務活動を追加・編集して、公開前にプロセスモデルを確認できる
- 何千ものプロセスが存在する場合でも、包括的な編集機能により、プロセスの出力を管理・改善できる
コラボレーション
- アイデアやフィードバックを出し合う場を提供することで、組織運営を次のレベルへと引き上げる
- ビジネスリーダーは自らの知見を共有し、必要なサポートを得る
- 関係担当者はタスク通知にコメントを追加することで、他の部門や拠点の同僚とリアルタイムでコミュニケーションを図る
- こうしたやり取りをする中で、より速く、より良い成果につながる方法が見つかる場合がある
- その結果、サイロ化が解消され、業績が向上する
プロセスシミュレーション
- プロセスのシミュレーションを行い、代替シナリオに備える
- what-if環境を作成し、変更による投資収益率(ROI)を数値化・予測する
- ビジネスリーダーは、ケースシナリオを設定、監視し、最も関連性の高いタスクに集中できる
- その結果、隠れたチャンスを発見し、複雑なプロジェクトでも最適な選択肢を見極めることができる
まとめ
SAP Signavio Process Managerは、企業がビジネスプロセスを文書化、モデリング、およびシミュレーションすることを支援するクラウドベースのソフトウェアソリューションです。
- 非効率な部分を可視化し、業務効率を大幅に改善
- ビジネスプロセスとカスタマージャーニーとを結び付けて顧客体験を向上
- 組織全体のプロセスを透明化し、プロセスと意思決定のモデリングを行い、エンドツーエンドのプロセスエクセレンスを実現
- コンプライアンス違反のあるプロセスを特定し、各企業のニーズに応じて修正を促す
- プロセスモデルを容易に共有し、編集やコラボレーションを促進
- ビジネス面と技術面の要件を整合し、単一のプラットフォームでプロセスと意思決定を管理
次回は、SAP Signavio Journey Modelerについて詳しく解説します。お楽しみに!