塗料メーカーPPG AC Franceは、デジタル化を活用した業務効率化の一環として、ヨーロッパ最大の自社物流センターにて倉庫管理プラットフォームの改革に乗り出しました。Westernacher Consultingとパートナーシップを結び、世界初のSAP S/4分散型EWM導入に着手。Westernacherの最新イノベーションの1つ「RF UI5」アドオンを採用し、優れたユーザーエクスペリエンスの恩恵を受けています。
変革の輪を広げる
- クロスドッキング、eコマース、会社間の輸送など、さまざまな倉庫業務やPPG固有の多様性に富んだ倉庫プロセスを管理する
- 入荷や棚入れなどの最適化や、複雑な返品処理の簡素化など、現在の物流プロセスを効率化する
- 現在と将来における幅広い顧客基盤からのニーズに対応する
合理化されたプラットフォームを新たに導入したことで、見える化と自動化が進み、倉庫業務が改善され、作業効率が最大限に高まりました。業務効率が5%向上し、オペレーターによるピッキング作業の人間工学的改善も行なわれました。また、ユーザーを第一に考え、Westernacherの最新イノベーションの1つである「RF UI5」アドオンを採用し、ユーザーエクスペリエンスの最適化を図りました。「RF UI5」のガイド付き画面が、入荷、出荷、拠点・倉庫内プロセスの作業効率を最適化します。さらに「RF UI5」をSAP EWMと連動させることで、倉庫業務をリアルタイムで追跡できます。今後新たに追加されるプロセスも「RF UI5」で微調整できます。
図1:Westernacherの「RF UI5」アプリケーション – データ入力プロセス
調和のとれたプラットフォームへの移行
PPG AC Franceはプロジェクト当初から、プロセスの自動化と倉庫業務全体の可視化というはっきりとした目標を掲げていました。この目標を達成するために、統合プラットフォームの一部としてSAP S/4HANA分散型EWMを導入し、分断化された旧式の倉庫管理プロセスを、効率的で透明性が高く調和のとれたプロセスに変革することを決意しました。
図2:イノベーション、カラー、サステナビリティで業界を牽引するPPG
Westernacherは最初から好印象でした。担当コンサルタントはEWMの知識が豊富で、時間をかけてじっくり現場を調査しました。時間の制約がある中、こちらからの要望にいつでも柔軟に対応してくれました。
PPG、シニアITプロジェクトマネージャー、Remi Luong氏
成功のための合理化
このプロジェクトにより、リソースの稼働率・利用率の最適化、業務のリアルタイム可視化など、PPG AC Franceの倉庫に多くのメリットがもたらされました。効率性の向上、在庫可視性の改善、顧客満足度の最大化という目標がプロジェクト全体の推進力となったのです。S/4HANA分散型EWMプラットフォームの導入により、次のことが実現しました。
- すべてのプロセスにおいてリソースとタスクを最適化することで手作業を排除し、必要な作業を、必要なときに、必要な場所で行うよう、スマートタスクに優先順位を付ける
- カートナイゼーション計画の強化改善により顧客固有のリクエストに合わせてピッキングを最適化し、パレット充填の最適化により商品寸法をもとに使用率を最大化する
- ピッキングと補充業務の整合性を図り、調達チームの待ち時間をなくす
- 在庫の在庫追跡とABC分析に基づく循環棚卸の管理を改善する
- カスタマーサービスを改善し、特注生産の遅れ、急ぎの注文処理、購買プロセスでの特別なリクエストに対応する
- 入荷ミスを減らし、返品商品の利用判断プロセスをスピードアップすることで、社内の製造、入荷、返品業務を合理化、最適化する
- Pick by Voiceにより倉庫でのピッキング効率を高める
図3:Westernacher RF UI5アプリケーション – 画面選択プロセスのリスト
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