中東を拠点とする流通大手Balsharaf Groupは、DXの波に乗り、物流事業の効率化と成長を目指して、最新の拡張倉庫管理(SAP EWM)ソリューションを導入しました。
労働生産性の向上
EWMによって、フォークリフトオペレーターが一定時間内に段ボール箱をいくつ運んだかを正確に記録することができます。
Balsharaf Group、CIO、Sajid Riaz氏
デジタライゼーションの次なるステップ
2012年、Balsharaf Groupはグループ内の複数のコアビジネス機能を自動化すべく、SAP Enterprise Resource Planning(ERP)ツールを導入しました。それだけにとどまらず、最新のEWMソリューションを導入して「物流業務を次のレベルへと引き上げる」ことも決意していました。
今回の重要な成果のひとつは、入出荷の準備をより効率的に行えるようになったことです。SAP EWM導入により、倉庫をより正確に設計、把握できるようになりました。
正確な情報をもとに、保管コストや輸送に必要な労働力を計算できるため、「直観」に頼るのではなく、より科学的なアプローチで倉庫を管理できます。
EWMシステムは、将来確保可能なキャパシティと、ある仕事量をある特定の日に完了するのに必要な労働力の概要を効果的に提供します。これは、現在と将来の作業に対する入出庫トランザクションの正確な納期に基づいてシステムが運用されることによって実現します。
より広範な問題への取り組み
EWMソリューションは、出荷計画、それに基づく労働力の確保だけでなく、食品廃棄問題への取り組みにも役立っています。食品廃棄がもたらす経済への影響は、サウジアラビアだけでも年間約133億ドルと推定されています。
EWMでは、FEFO(First Expiry First Out)プロセスに基づいて商品の移動が行われ、賞味期限が近い商品から先に出荷されるため、食品ロスの削減に役立っています。
消費財事業が直面する最大の課題のひとつは、常に賞味期限が近い商品から移動させなければならないことです。
Balsharaf Group、CIO、Sajid Riaz氏
これは当たり前で簡単なことのように思えますが、巨大な倉庫で行うには極めて複雑な作業です。EWMは、特定のロットがどこにあるかを検出し、賞味期限に基づいて倉庫のどこにどの商品を保管するか、FEFOに基づいてどこから商品をピッキングすべきかをユーザーに通知します。これにより、賞味期限切れによる廃棄量を削減することが可能となります。「EWMにより、食品廃棄を大幅に削減し、3PLサービスプロバイダーとしての競争優位性を確立しています」とRiaz氏は結論付けます。
なぜWesternacherなのか
Balsharafは、この大規模なプロジェクトに適した導入パートナーを探していました。SAP ERPソリューションを扱う大手コンサルティング企業はサウジアラビアにも数多くありますが、BalsharafはEWM導入に関する高いスキルを持つWesternacherに関心を持ちました。綿密な打合せと議論を重ねた結果、複雑な倉庫管理ソリューション導入における長年の経験と、エンドツーエンドの包括的なアプローチが決め手となり、BalsharafはWesternacherをパートナーに選びました。
加えて魅力的なポイントとして、Westernacherが無料で提供する倉庫ヘルスチェックもありました。Westernacherは、導入契約が交わされる前に、3~4日間現場に入り、現時点で倉庫がどのように運用されているかを深く理解し、より効率的な運用を行うには何が必要かを調査しました。
倉庫ヘルスチェックは、プロジェクト開始前にWesternacherの専門知識とプロフェッショナリズムを評価することができるため、非常に良いサービスだと思います。将来の導入パートナーとの信頼関係を築くのに役立ちます。
Balsharaf Group、CIO、Sajid Riaz氏
Westernacherは、稼働開始後、システムがロールアウトされるまで、すべてがシームレスに動作しているか、また導入期間中に日常業務に支障が出ていないかを慎重に確認しました。
全商品の賞味期限を細かくチェックし、ラベルを貼り、特定の場所へ保管して記録することで、システムの稼働開始直後から約束通りの成果が得ることができました。これにより、Balsharafは常連客からの信頼と支持を維持することができました。
Westernacherは私たちにとても辛抱強く付き合ってくれました。企業として何を達成したいかを理解し、すべての段階でさらなる努力を重ねて、私たちをサポートしてくれました。
Balsharaf Group、CIO、Sajid Riaz氏
正確性を期してロールアウトを成功させるため、Westernacherはトレーニングおよびテスト期間の延長を勧めました。Riaz氏は、この「カルチャーの変革」が導入成功の鍵だったと言います。
サウジアラビアでのEWM導入を成功させたBalsharafは、他の倉庫へのEWMロールアウトを計画中です。Westernacherは、今後も長期にわたりBalsharafをサポートしていきます。
Balsharaf Groupについて
創業50年以上の歴史を持つBalsharafは、1955年、サウジアラビアのマッカで小さな食料品店としてスタートしました。現在では、リアド地域で食料品店をチェーン展開し、サウジアラビア全土の16,000を超える小売店に商品を卸しています。Balsharafは、サウジアラビア、エジプト、インドで商品を製造し、世界的に有名な数多くの自社ブランドで高いマーケットシェアを誇ります。
店舗
スーパーバイザー
地域担当マネージャー
アカウントマネージャー
小売業者
Balsharafのサウジアラビアでの流通は、6つのローカルオフィス、17の店舗、150の小売業者からなる販売チーム、500名の販売員、77名のスーパーバイザー、14名の地域担当マネージャー、2名のアカウントマネージャーというように、複数のカテゴリ別部門として管理されています。Balsharafは、サウジアラビアにある数多くの大手小売チェーンへ商品を提供するサプライヤのトップ5に君臨しています。
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