デンマーク最大の小売業者Salling Groupは、常にニーズを先取りしたビジネスを展開しています。デンマーク全土の顧客ニーズを満たすため、ディスカウントストア、スーパーマーケット、大型スーパーマーケット、そして現在ではレストランやコーヒーショップなども経営しています。ポーランドやドイツにも進出し、週に1100万の利用客を獲得するなど、急成長を続けています。しかし、まだ実現できていない分野がありました。食料品の宅配サービスです。そこで昨年、Salling Groupは宅配プロジェクトに乗り出しました。
Salling Groupは、プロジェクトを短期間で軌道に乗せるため、チームの中でも優秀な人材を抜擢しました。一方で、このスピードで宅配プロジェクトの重要課題に取り組むには、外部のサポートが必要なことにも気付いていました。そこで複数の戦略パートナーを受け入れ、個々のチームが「ひとつになる」アプローチでプロジェクトを進めていきました。その中の一社がWesternacher Consultingでした。
「宅配サービスの準備には、社内のチームメンバーやITスタッフが数多く関わっていました。いち早く市場参入したいという思いから、優秀なサプライヤー数社とパートナーになり、宅配サービスの実現をサポートしてもらいました」と、Salling Groupのデジタル&Eコマース取締役副社長Thor Jørgensen氏は説明します。
Westernacher ConsultingのCEOであるBenjamin Dewildeは、「弊社は技術革新を活用し、ビジネスプロセスの改善、ビジネスの変革を行います。私たちのお客様は、業務改善やビジネス改革を行いたい、特にSAPが提供するテクノロジーを実現したい、という目標を持っています」と語ります。
Westernacherは、SAPスタックを専門とする技術コンサルティング企業です。デジタルコマース成功のカギは、信頼性の高いバックエンドオペレーションです。Salling Groupは、長年にわたりSAPベースのシステムを使っていました。今回、Westernacherのサポートを受け、食料品宅配用にシステムの最適化を行いました。新たな「ダークストア」、つまり従来のスーパーマーケットと同じ品揃えであるもののオンライン注文向けに最適化されたレイアウトが導入され、オーダーフルフィルメントや内部プロセスが最適化されました。
「Salling Groupはすでにあらゆる業務でSAPを使用しています。ダークストアでは、プロセスを大きく2つに分けることができます。物流と配送です。」と、Westernacher ConsultingのSAPシニアコンサルタントTom Rune Bjørnstadは言います。「既存のSAP ECCプラットフォームとEWMプラットフォーム、それからSAP TM。これら3つのシステムがSAP SCEプラットフォームを構築し、注文管理、輸送計画、倉庫フルフィルメントを行います。」
ラストマイルデリバリーをさらに強化
Westernacherは、ノルウェーで行った同様のプロジェクトの経験を活かし、Salling Groupにとって未踏の領域であった輸送実行と「ラストマイル」デリバリーにかかわるサービスを提供することができました。Salling Groupのチーフ・エンタープライズ・アーキテクトSteen Kronborg氏は、Westernacher Consultingの幅広いサポートはSalling Groupチームにとって間違いなく不可欠な存在だった、と話します。
「Westernacherは、技術面にかなり踏み込んだコンサルティングを行ってくれます。単なるリバースプロセス、変革プロセス、最適化ではなく、コア技術も活用したソリューションを提案してくれます。とても重要で信頼のおけるパートナーです。従来のテクノロジーとビジネスプロセスを統合しつつ、経営レベルでのコンサルティングも実施してくれます。とても助かります。」と、Kronborg氏は語ります。
Salling Groupとのプロジェクトは、大きな成果をもたらしました。参加できたことを誇りに思います。納期は短く非常に複雑なプロセスをゼロから作り上げました。努力が実を結び、成功が現実となったとき、大きな充実感が得られます。
Westernacher Consulting、CEO、Benjamin Dewilde
Salling Groupはこの最先端プロジェクトの結果、確実に未来に適応できる近代的小売業者に生まれ変わった、とKronborg氏は言います。Salling Groupの本質的価値の1つは、競争力を維持し、「ビジネスのあらゆる分野で成功を収め、チャンスを掴み、一丸となって困難を克服する」ことです。Salling Groupは、今回のプロジェクトを通してそれを十分に証明しました。そしてこれからも、最新鋭テクノロジーを活用してさらに前進したいと考えています。
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