業界別アプローチ
食品・飲料(スナック菓子製造)
主要テクノロジー:
SAP Extended Warehouse Management(SAP EWM)
大手スナック菓子メーカーは、ウェスタナッハ・コンサルティングによるSAP EWMの機能拡張を活用し、賞味期限遵守の強化、出荷業務の安定化、滞留在庫の削減を実現しました。その結果、生産性を向上させるとともに、顧客ごとに異なる要件への確実な対応を可能にしました。
課題:SAP EWMにおける賞味期限ルール管理の高度な複雑性
食品業界において、賞味期限管理は極めて重要な業務要件です。これはサービスレベル、在庫回転率、出荷の安定性、そして顧客への納品約束の履行に直接影響します。特に大量出荷や顧客ごとに異なる要件への対応が求められる環境では、その重要性はさらに高まります。
この大手スナック菓子メーカーでは、広範な配送ネットワーク全体で多様な賞味期限ルールを管理する必要があり、その運用は年々複雑化していました。
こうした課題を解決し、業務の可視性と統制を取り戻すため、同社はウェスタナッハ・コンサルティングと提携してSAP EWMの機能拡張ををし、顧客ごとの賞味期限要件や出荷条件を反映したロジックを出荷プロセスへ組み込むことで、コンプライアンスを確保しながら効率的な出荷業務を実現しました。
大手スナック菓子メーカーのプロフィール
ウェスタナッハ・コンサルティングの顧客は、大規模かつ高回転の物流センターを運営する大手スナック菓子メーカーです。高いサービスレベルが求められる環境の中で、賞味期限管理が重要な製品を取り扱っています。
主な業務特性
- 毎日数十台のトラックで出荷
- 毎日数千件のケースピッキングを処理
- 複数のスナック製品カテゴリーにわたる大量の出荷
- 配送ネットワーク全体で顧客ごとに異なる厳格な賞味期限ルールを適用
在庫精度の維持、適切な在庫引当、そして徹底した在庫ローテーションは、同社のサービス品質を支える上で不可欠な要素となっています。
ビジネス上の課題
倉庫業務では、賞味期限管理の複雑さが標準的なロット選択ロジックを大きく上回っていました。出荷時の在庫引当では、以下のような条件を同時に考慮する必要がありました。
- 顧客ごとに異なる最低残存賞味期限要件
- 要件製品階層に基づく依存関係
- 残存賞味期限のしきい値
- 保管条件
- 後から出荷される製品の賞味期限が短くならないようにする在庫ローテーションルール
- 日中を通じて発生する高頻度の在庫引当の決定
SAP EWMの標準設定だけでは、これらの要件を同時に管理することが困難でした。その結果、取扱量の増加に伴い、現場では次のような課題が発生していました。
- 顧客ごとの賞味期限要件を安定して満たせない
- 不適切なロットおよびパレットの選択
- 例外対応に依存した補充業務
- ピックフェースに適切な在庫がないことによる出荷遅延
- 手作業による確認や介入作業の増加
- ピッキングエリアのスペースの非効率な利用
- 作業負荷と例外処理工数の増加
- 出荷業務の安定性と在庫品質の低下
賞味期限遵守は、倉庫運営における大きなボトルネックであると同時に、顧客サービス品質を脅かすリスクとなっていました。
SAP EWMにおける賞味期限遵守の評価を、より早い段階で行う方法
ウェスタナッハ・コンサルティングは、ロット選択の最終段階に依存するのではなく、引当およびウェーブ(出荷指示のグループ化)リリースの段階で賞味期限のコンプライアンスを評価できるよう、SAP EWMを拡張しました。
実装された主な機能
- ウェーブリリース時に顧客別の賞味期限ルールを適用
- 複数の賞味期限条件を並行して評価
- 要件を満たさない在庫を自動除外
- 在庫ローテーションの原則と顧客要件の整合性を向上
- ERPデータと倉庫データを統合し、単一の判断フレームワークとしてルールベースで処理
その結果、現場作業のスピードや効率を落とすことなく、手作業の確認を増やすこともなく、複雑な賞味期限要件を大規模に安定運用できる堅牢な仕組みが実現しました。
ウェスタナッハ・コンサルティングがプロジェクトで重視したこと
当社は顧客と緊密に連携し、複雑な業務要件を実践的かつ安定的に運用可能なSAP EWMソリューションへと落とし込みました。
プロジェクトの重点領域
- 賞味期限遵守に関する課題の根本原因を特定
- 顧客固有のルールを実運用に適した拡張性のあるロジックへ変換
- コアプロセスに影響を与えることなくSAP EWMを機能拡張
- 引当およびウェーブリリースのプロセスにコンプライアンスチェックを組み込み
- 在庫ローテーションと出荷業務の実行
目指したのは、単にSAP上で機能するロジックを構築することではなく、スピードと安定性が求められる大規模物流センターにおいて、そのロジックを確実かつ継続的に実行できる仕組みを実現することでした。
導入効果: ビジネス成果
本導入により、倉庫運営の効率性、在庫パフォーマンス、サービス品質の各領域で、定量的な改善効果が確認されました。
倉庫業務の効率化
20~30%
ピッキング生産性の向上
40~50%
ピックフェースのスペース利用効率向上
迅速かつ安定した運用
ピッキングから出荷までのプロセスを高速化し、予測可能性を向上
在庫管理の改善
滞留在庫比率を 30%から10%へ削減
在庫ローテーション管理を強化
廃棄在庫リスクを低減
オペレーション管理の強化
- 手作業による確認業務を大幅に削減
- 例外対応や作業者による介入を削減
- 補充業務の安定性を向上
顧客サービスの向上
- 納品精度を向上
- 顧客ごとの賞味期限要件を安定して遵守
- 出荷の信頼性を向上
結論
ウェスタナッハ・コンサルティングの支援により、この大手スナックメーカーにおける賞味期限遵守は、個別対応や手作業による例外処理から脱却し、SAP EWM上で運用される自動化された拡張性の高い中核機能へと進化しました。
その結果、安定性・効率性・コンプライアンスを兼ね備えた出荷プロセスを実現。顧客要件への確実な対応と高いサービス品質を支える基盤として、持続的な競争力の強化に貢献しています。
次のステップ
SAP EWMにおける賞味期限のコンプライアンス、在庫回転、および出庫実行の改善をお考えですか?
