掲載日：2021年12月7日
執筆者：Johannes Strasser | Westernacher – SAP S/4HANA Finance & Business Process Intelligenceソリューションコンサルタント
プロセス主導のビジネス変革では、業界や企業の規模を問わず、目標とするビジネスプロセスや「実装済み」バージョンのビジネスプロセスを現状のそれと比較することができます。システム内の差異を理解し、システムで収集したデータを最適化し、直感的なダッシュボードや調査用インタフェースを使って会社全体のストーリーを明らかにできます。プロセスと業務をリンクさせ、決定的証拠に基づくデータドリブンかつエンドツーエンドの変革を実現することで、必要な情報、可視性、定量化可能な数値を引き出し、継続的な成長とプロセスエクセレンスを達成することができます。そこで必要となるソリューションが、SAP Signavio Process Intelligenceです。
SAP Signavio Process Intelligenceとは？
SAP Signavio Process Intelligenceは、SAP Business Process Intelligence（BPI）に含まれる重要なソリューションの1つです。潜在的なリスクや継続的な改善機会に関する強力なファクトベースのインサイトや、ビジネス上の意思決定をよりスマートに行うためのサポートを提供するため、プロセスやデータに隠されたビジネス価値の特定に役立ちます。
その他にも、次のような多岐にわたる有益な機能を提供します。
- 実行可能な改善に向けた詳細なプロセス分析
- ボトルネックやシミュレーションを検証するスマート診断の作成
- ベストプラクティスを考慮したプロセス変更案の評価
- ロボティックプロセスオートメーション（RPA）、人工知能（AI）、機械学習（ML）などによるハイパーオートメーションに向けた業務プロセスの最適化
- 正確な顧客行動の把握によるカスタマージャーニーの向上
また、RISE with SAPの文脈において、組織のS/4HANAトランスフォーメーションを次のレベルへと引き上げます。
SAP Signavio Process Intelligenceの利点
SAP Signavio Process Intelligenceは、組織がデータをより深く理解し、事実に基づく変革を推進するためのサポートを提供します。このソリューションを実行することで、イベントログからユーザーインタラクションまで、プロセス全体をエンドツーエンドで視覚化できます。具体的には、データ管理、新モデルの開発、サードパーティアプリケーションとの出力統合、詳細な分析のための指標設定により、現状の業務やアクティビティ、シーケンスの理解を深めることができます。また、P2P（調達から支払）、O2C（受注から入金）、ITSM（ITサービス管理）などの一般的なプロセスに対応したETLコネクタやテンプレート化された変換といった便利な機能を利用することで、分析にかかる時間を短縮できます。
また、ビジネスプロセスの非効率性やボトルネックを迅速に明らかにし、スムーズな操作性を実現します。プロセスストーリーを調査し、KPIを比較し、インパクト分析を行い、差異を把握して業務を効率化します。プロセス制御フローを動的にマッピングして接続することで、コンプライアンスを強化し、差異や無駄を改善できます。根本的原因分析を行い、遅延やスキップされたアクティビティ、イベント順序を調査することで、サイクルタイムを短縮し、再作業を削減できます。
さらに、ウィジェットを活用してパフォーマンス分析を迅速化し、成果を共有できます。また、パフォーマンスKPI、サイクルタイム分析、全体的なビジネス健全性指標に関する洞察をすぐに確認できます。ウィジェットに加え、プロセスのパフォーマンスとコンプライアンス指標をプロセスマイニング調査と組み合わせることで、より短時間でビジネス成果を得ることができます。
SAP Signavio Process Intelligenceにより、本当に必要な情報を1つのプラットフォーム上に表示できます。その高度な統合機能を利用してデータを接続、抽出することで、さまざまなソースシステムと接続し、ウィジェットで即座に情報を得ることができるため、データを最大限に活用し、ビジネス、プロセス、ITを連携させ、効率と効果をさらに強化できます。
まとめ
SAP Signavio Process Intelligenceは、ビジネスプロセス管理における真のゲームチェンジャーと言えるでしょう。その次世代のエンドツーエンド機能により、現状プロセスの正確な把握・改善から、根本的原因の分析、継続的な監視に至るまで、ビジネス変革のより効率的かつ効果的な管理が可能になります。また、プロセスデータの透明性を高め、プロセス実行の意思決定を向上させます。適合性チェックを活用し、標準的な業務が当初の意図通りに実行されていることを保証し、例外をすばやく特定できるようになります。完全なるエンドツーエンドの視点やパフォーマンス概要により、現状をより理解し、業務の健全性を維持することができます。
次の記事では、SAP Signavio Process Intelligenceをさらに詳しく検証します。どうぞお楽しみに。
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