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なぜEAMは企業のデジタルツインとしてより効果的なのか(第4回)

成功のための重要な前提条件

ウェスタナッハファビコン
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ウェスタナッハ・コンサルティングのパートナーであるBrian Halkjærと、Securitasのリード・エンタープライズアーキテクトであるThomas Teglundによるブログシリーズをお届けします。
本シリーズの前回の投稿(英語)では、企業のデジタルツインを成功させるための重要な前提条件について取り上げました。特に、データ駆動型EAM(Enterprise Architecture Management)アプリケーションの可能性を最大限に引き出すためには、高品質なデータと継続的なデータ品質保証が極めて重要であることを解説しました。

さらにその1つ前の投稿(英語)で説明したように、データ駆動型EAMアプリケーションは企業のデジタルツインを実現するための中核的な技術基盤と捉えるべきです。また、エコシステムを構築するために必要な「欠けていたリンク」、すなわち仲介役としても機能します。これにより、情報や知識の境界が取り払われ、既存の情報資産を再利用し、より高い抽象化レベルへと引き上げ、それらを組み合わせて企業全体を一貫した形で表現できるようになります。

このシリーズ投稿で探求してきたように、信頼できるデータを基盤としたアプリケーションエコシステムを構築し、それを企業のデジタルツインとして活用することで、多くのメリットが得られます。主な利点は以下の通りです:
  • 意思決定の高度化:デジタルツインを活用することで、さまざまなシナリオにおけるパフォーマンスのシミュレーションやモデリングが可能となり、結果をより高い確度で予測できます。その結果、より適切な意思決定が可能となり、業務最適化や将来計画の策定に役立ちます。
  • 効率性の向上:デジタルツインはシステムのリアルタイム監視と分析を可能にし、より効率的なリソース管理やダウンタイムの削減を実現します。これにより、大幅なコスト削減と生産性向上が期待できます。
  • コラボレーションの強化:相互接続されたアプリケーションのエコシステムは、部門間や関係者間の連携を促進します。全員が同じ正確で最新の情報にアクセスできるため、より一体感のある効果的な協働が可能になります。
  • イノベーションの促進:デジタルツインを利用することで、新しいアイデアや施策を実環境へ導入する前に仮想環境で検証できます。これにより、新たな取り組みに伴うリスクを低減し、イノベーションを加速できます。
  • 利用体験の強化:信頼性の高いデータを活用することで、関係者に対してよりパーソナライズされた迅速なサービスを提供できるようになります。その結果、満足度や利用率の向上につながります。
  • 法規制への対応:規制が強化される環境において、高いデータ品質とガバナンス基準を維持することは、法令遵守の確保とデータ漏洩などのセキュリティリスク低減に役立ちます。
現時点では、EAMアプリケーションの観点から各領域の成熟度は一様ではありません。しかし、それらすべてが企業のデジタルツインを構成する重要な要素です。

実現するための方法

エコシステム思考は重要です。なぜなら、相乗効果を活用することで、EAMおよびデジタルツインの取り組みを大きく加速できるからです。しかし同時に、「どのように実現するのか」という疑問も生じます。この点について、マッキンゼーは非常に参考になる見解を示しています:Data ecosystems made simple(データエコシステムの簡素化)(英語)
さらに、この視点に付け加えると:

1. 統合:統合は簡単ではありませんが、不可欠です。EAMアプリケーションを評価し、エコシステムを構築する際には、次の点を必ず確認してください。

a) コネクタ: 利用可能な標準コネクタが充実していれば、統合作業の複雑さを大幅に軽減でき、エコシステム構築を迅速に進めることができます。 b) API: 優れたAPIと十分なドキュメントがあれば、コネクタだけに依存することなく、さまざまなシステムとの連携が可能になります。

2. 継続的改善:これは一度に完成するものではありません。まずは小規模に開始し、段階的により高度なデジタルツインへと発展させる必要があります。成熟度が高まるにつれて新たなアイデアも次々に生まれるため、適切な優先順位付けが重要になります。そのため、デジタルツインのエコシステム専用のプロダクトチームを設置し、DevOpsアプローチを採用することを推奨します。

また、初期段階では意図的にシンプルなメタモデルを採用し、適切なガバナンスを維持しながら成熟度に応じて拡張していくべきです。そして、その過程で得られた成果を積極的に評価し、共有することも忘れてはいけません。 ‍

3. コラボレーションとトレーニング:デジタルツインの導入を成功させるためには、部門横断的な協力と関係者間の連携が欠かせません。また、従業員に対して適切なトレーニングと支援を提供することで、デジタルツイン技術の仕組みを理解し、効果的に活用できるようになります。

エコシステム

下の図は、LeanIXがITを表現する場合に、どのような「機能」を支援する必要があるかを示しています。あらゆる領域をカバーするには、どのようなアプリケーションが必要でしょうか。また、どこから着手するべきでしょうか。さらに、それらはどの程度容易に相互連携できるでしょうか。これらのアプリケーション間でデータがほぼ摩擦なく流れる状態を想像してみてください。そうなれば、戦術的な意思決定から戦略的な意思決定まで、必要な情報を即座に活用できるようになります。また、「どの市場で戦い、どのように勝つか」をさまざまなシナリオに基づいて検討し、その影響を上流・下流の両方向から理解できるようになります。
以下は、そのようなエコシステムを構成するアプリケーションの例を示したものです(LeanIXをEAMアプリケーション/デジタルツイン技術の中核として例示しています)。
このエコシステムが価値を生み出す最大の理由は、シナジーにあります。エコシステム内の各アプリケーションは、アプリケーション、ITコンポーネント、プロセスなどの共通する情報概念を扱い、相乗効果を生み出すだけの共通関心を持ちながらも、それぞれ異なる視点をサポートしています。そのため、重複した作業を行う必要がありません。
例えば、業務アプリケーションという概念を考えてみましょう。これはデジタルツインにとって重要な対象であり、将来のビジネス目標や戦略を支える適切なポートフォリオを維持する必要があります。そのため、デジタルツインではアプリケーションポートフォリオを管理し、将来に向けた計画を行います。一方で、ITサービスマネジメント(ITSM)システムも同じアプリケーションを対象としています。ただし、その目的はサービス要求、変更管理、インシデント対応を行うことです。そのため、運用視点に関連する異なる詳細情報が必要になります。例えば、ユーザーが問題を経験した環境が本番環境なのかテスト環境なのかを把握することが重要です。さらにその下層にはCMDB(構成管理データベース)があり、特定の環境においてアプリケーションがどのように構成されているかを、現在だけでなく過去の状態も含めて管理します。

データ収集とデータ連携

データ収集には、重要な2つの側面があります:
  • 人:「ディスカバリー(自動検出)」は重要な要素ですが、最終的には多くのデータを人が管理する必要があります。管理はEAMアプリケーション上で行われる場合もあれば、エコシステム内の他のアプリケーション上で行われる場合もあります。そのため、データガバナンスについては包括的な視点が求められます。
  • 双方向のデータ連携:前述のとおり、データはEAMアプリケーションとの間を双方向に流れます。多くの場合、構造的な情報はEAMアプリケーションから周辺システムへ提供されます。一方で、周辺システムから構造情報を受け取ることもありますが、それと同じくらい重要なのが、集約された分析結果や洞察です。これらはデジタルツインにおける包括的な意思決定を支援します。そのため、各情報についてどのシステムをシステム・オブ・レコード(正規データ管理システム)とするのかを明確に定義することが重要です。

まとめ

これらのステップに従うことで、企業はデジタルツインを既存システムへ効果的に統合し、その可能性を最大限に活用して、イノベーションと業務効率の向上を実現できます。本シリーズも4回目を迎えましたが、私たちはEAMアプリケーションを企業のデジタルツインと捉えるこの考え方に、ますます大きな可能性を感じています。「どの市場で戦い、どのように勝つか」という問いに対する答えを、経営層がすぐに活用できる形で提供するというビジョンは、今も変わらず強く持ち続けています。

このテーマには、今後さらに掘り下げるべき多くの領域が残されています。ぜひ、これまでの考察について皆さまのご意見をお聞かせください。また、今後の記事で取り上げてほしい視点やテーマがあれば、ぜひ教えてください。

出典:Abdulla, A., Janiszewska-Kiewra, E., & Podlesny, J. (2021, March 8). Data ecosystems made simple. (Mckinsey & Company) Retrieved from mckinsey.com: https://www.mckinsey.com/capabilities/mckinsey-digital/our-insights/tech-forward/data-ecosystems-made-simple

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