ストックホルムに本社を置き、45の国や地域で1,300以上の拠点を展開するセキュリティサービスプロバイダーSecuritas社は、アプリケーションおよびテクノロジーポートフォリオの可視性を高め、リソースの最適化、コストの削減、リスクの軽減を実現するエンタープライズアーキテクチャ(EA)ツールの導入を検討していました。SAP LeanIXを採用し、導入パートナーであるWesternacher Denmark(旧Konfident)と協力することで、データ精度、ITの可視性、俊敏性、部門間の連携およびコミュニケーションを強化し、ビジネス変革を支える基盤を構築しました。
主な成果
ITランドスケープの可視化および制御の強化
EA管理の向上
冗長アプリケーションの排除とリスクの明確化
戦略的ビジネス変革の継続的支援
IT・ビジネス部門間の連携およびコミュニケーションの改善
課題
分散化された複雑なIT環境と限られた可視性
EAをより効果的に管理し、リスクを削減し、さらに俊敏性を高める必要に迫られたSecuritas社は、LeanIXの導入に踏み切りました。これにより、ビジネス機能やアプリケーションアーキテクチャを包括的に把握し、それらがビジネスをどう支えるかを理解できるようになりました。このプロジェクトの主な目的は、戦略的ビジネス変革を進める中で情報に基づく意思決定が行えるよう、ITランドスケープの可視性を高めることでした。Securitas社の事例は、ITランドスケープの全体像とビジネスへの影響を明らかにする信頼できるパートナーを見つけることの重要性も示唆しています。
SAP LeanIXは、社内のEA実践を的確にサポートします。今回、ITランドスケープ全体の可視化を進め、EAの管理方法を改善した結果、合理化が必要な領域を特定し、ターゲットアーキテクチャ計画を改善して、ビジネスニーズの変化へ迅速に対応できるようになりました。IT部門内のチーム間の連携とコミュニケーションも改善され、ステークホルダーに対する透明性も確保しました。LeanIXから得られる知識やインサイト、そしてWesternacherとのコラボレーションには非常に満足しています。今後もこのパートナーシップを継続し、IT業務のさらなる最適化を目指します。
Securitas IT部門リードエンタープライズアーキテクト Thomas Teglund氏
スウェーデンのストックホルムに本社を置くSecuritas社は、45の国や地域で1,300以上の拠点を展開する、世界有数のセキュリティサービスプロバイダーです。従業員数は35万8,000名を超え、小売、医療、航空業界などの幅広い業界に対し、セキュリティコンサルティング、警備員の派遣、セキュリティ監視、緊急対応サービスを提供しています。
人に焦点を当て、顧客志向かつデータドリブンな方法で競争力を高めることを目標とする同社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を特に重視していました。しかし、世界中に多くの従業員を抱え、IT部門もかなり分散しているため、変革への道のりは簡単ではありませんでした。
世界有数のセキュリティサービスプロバイダーSecuritas社は、スウェーデンのストックホルムに本社を置き、45の国や地域で1,300以上の拠点を展開しています。
Securitas社のEA部門はわずか数名で構成され、Excel、Visio、PowerPointなどのツールを使い、分散したIT・アプリケーションポートフォリオを手作業で可視化しようとしていました。拡張性も効率性も望めない状況でした。
現状を変える必要があると感じた同社は、次の点を改善するために、EA管理ツールの導入を検討し始めました。
ITがビジネスを支える仕組みの可視化:
複数の地域と事業部門にまたがる大規模かつ複雑なIT・アプリケーションポートフォリオは一元管理されておらず、どのアプリケーションがどの業務をサポートしているのか、全体像を把握するのが困難だった。
冗長アプリケーションの把握:
ITランドスケープが適切に可視化されていないため、どのアプリケーションが冗長であるかを特定して合理化することが難しく、リスクが高まり、コストもかさんでいた。
変化するビジネスニーズへの迅速な対応:
ターゲットアーキテクチャを効果的に計画できず、ビジネス変革に対する取り組みの妨げとなっていたため、意思決定を支える信頼性の高いデータが必要だった。
Securitas社は、アプリケーションおよびテクノロジーポートフォリオ全体を一元管理して可視化するEAツールを求めていました。適切なツールを導入することで透明性が高まり、アプリケーションやテクノロジーをビジネス機能と関連付けることができます。また、冗長アプリケーションを排除し、コスト削減の機会や潜在的なリスクを特定できるようになります。そして何よりも、アプリケーションおよびテクノロジーポートフォリオを最適化し、得られたインサイトをもとに迅速な意思決定を行えるようになります。
SAP LeanIXは、社内のEA実践を的確にサポートします。今回、ITランドスケープ全体の可視化を進め、EAの管理方法を改善した結果、合理化が必要な領域を特定し、ターゲットアーキテクチャ計画を改善して、ビジネスニーズの変化へ迅速に対応できるようになりました。
Securitas IT部門リードエンタープライズアーキテクト Thomas Teglund氏
ソリューション
ビジネス目標の実現に向けてSAP LeanIXを採用
Securitas社は、自社のニーズに合ったテクノロジーを見つけるため、綿密な選定プロセスを実施し、優れたユーザーエクスペリエンス(UX)、クラウドIDプロバイダー(IdP)とのスムーズな統合、そして高度なセキュリティ機能などの要件を満たすSaaSソリューションを精査しました。
最終的に、ビジネス変革の基盤として、業界をリードするEA管理ソリューションSAP LeanIXを採用しました。その後の段階で、EA部門をサポートする導入パートナーWesternacherとパートナーシップを締結しました。Westernacherは、EA部門以外でも幅広くLeanIXを活用できるよう、リソースに優先順位を付け、LeanIX活用に必要なスキルの習得をサポートしました。
Securitas社とのコラボレーションでは、クライアント、導入パートナー、そしてベンダーの理想的な連携が実現したと思っています。この信頼関係により、アジャイルかつ実践的なアプローチで継続的に価値を創出することができます。意思決定の主導権は常にSecuritas社にあり、私たちはアイデアを提供しつつ、進捗とユーザー定着を支援し、Securitas社内の負荷を最小限に抑えることに尽力しています。
Westernacher Denmark 創設者兼CEO Brian Halkjær
DXプロジェクトの成功は、IT、アプリケーション、データを企業全体の文脈の中で完全に可視化できるかどうかにかかっています。弊社をはじめとするパートナー企業は、こうした透明性の確保を支援し、エンタープライズアーキテクチャ管理(EAM)戦略の策定から適切なテクノロジーの選定、導入までを包括的にサポートします。Westernacherは、ビジネスインサイト、ツールに関する専門知識、そしてクライアントの状況をすべて考慮した強固なEAM体制の構築を支援します。そして2020年以降、EAMソリューションとしてLeanIXを唯一の選択肢と位置付けています。
今回のプロジェクトで、Securitas社はまず、LeanIXのアプリケーションポートフォリオ管理(APM)モジュールを活用して自社のITポートフォリオに対するベースラインアーキテクチャ評価を実施しました。そして、すべてのアプリケーションのインベントリを作成し、それぞれをビジネス機能を正確にマッピングしていきました。
また、SAP LeanIXの価値を最大限に引き出すには、LeanIXを業務にしっかりと根付かせるための追加リソースが必要だと考え、Konfident(現Westernacher Denmark)の協力を仰ぎました。各アプリケーションを担当するビジネス・IT担当者を特定し、彼らが最終的にLeanIXでのデータの取得・管理を担うという体制を整えることができました。こうして、一握りのエンタープライズアーキテクトで構成されていたEAチームは、、主要なリポジトリに信頼性の高いデータを直接提供する「チャンピオン」と呼ばれる多数のエキスパートから成るチームへと規模を拡大しました。
Securitas社は組織の規模と複雑性を考慮し、APMを使ったアプリケーションの特定を継続的に行っています。また最近では、ターゲットアーキテクチャ計画を支援するビジネストランスフォーメーション管理(BTM)モジュールを追加導入しました。Westernacherは、アプリケーションの管理(および将来的な変更)、統合ランドスケープの最適な文書化、それらのBTMモジュールでの活用に関するアドバイザーを務めています。また、Securitas社と協力して、社内のさまざまな担当者向けにトレーニング資料を作成し、研修を行っています。「信頼できる唯一の情報源」であるLeanIXを導入したことで、ビジネス部門とIT部門の連携が促進され、スムーズなビジネス変革が実現しました。
Securitas社はSAP LeanIXを活用し、Westernacherとパートナーシップを結ぶことで、以下を実現しました。
- アプリケーション・ITポートフォリオの可視性を向上させ、信頼できるデータ基盤を構築
- アプリケーションとビジネス機能の整合を図り、ITがビジネスをどう支えているかを理解
- ベストプラクティスに向けて推奨アプリケーションやITコンポーネントを導入し、IT標準化を推進
- プログラムやプロジェクトをビジネス目標やビジネス機能とマッピングし、ビジネス変革全体の支援を強化
Securitas社とのコラボレーションでは、クライアント、導入パートナー、そしてベンダーの理想的な連携が実現したと思っています。この信頼関係により、アジャイルかつ実践的なアプローチで継続的に価値を創出することができます。
Westernacher Denmark 創設者兼CEO Brian Halkjær
成果
テクノロジーとビジネス機能を関連付けた効果的なビジネス変革
WesternacherとSecuritas社がチームを組み、SAP LeanIXを活用することで、すでに具体的な価値が生み出されています。SAP LeanIXは、アプリケーションやテクノロジーとビジネス機能と関連付け、効果的なビジネス変革を支えるインサイトを提供しす。
SAP LeanIXの導入後6か月で、すでに500を超えるアプリケーションがソリューションに登録され、EAチームは上層部との連携も開始しました。現在、インベントリには1,600以上のアプリケーションが登録されており、その数は今も増え続けています。
その結果、次のようなメリットがもたらされています。
データの精度と関連性の向上
アプリケーションおよびテクノロジーをビジネス機能と紐付けることで、継続的な変革と情報に基づく意思決定を支える、高品質で信頼性の高いデータソースを構築しました。それをもとにインサイトレポートを作成することで、主要担当者との建設的な対話が実現しました。
ITランドスケープの可視性向上
SAP LeanIXはSecuritas社の既存の技術スタック(ServiceNowやOne Trustなど)と連携し、アプリケーションマスターとしてITランドスケープの包括的なビューを提供するため、潜在的な問題や最適化の機会をすぐに特定できます。各部門は、アプリケーションの整理・統合の対象領域を特定し、ビジネスおよび技術的リスクを管理する最適化されたダッシュボードを使用しています。ベストプラクティスデータは、Securitas社のIT部門で集約、共有されています。
アジリティ・連携・コミュニケーションの強化
SAP LeanIXがチーム間の連携とコミュニケーションを強化するプラットフォームを提供し、各地域専用のダッシュボードも作成・利用できます。
Securitas社のEAへの取り組みをサポートできたことを光栄に思っています。弊社のプラットフォームはITとビジネスの両部門向けの設計となっており、これはEA体制の構築を成功させる上で非常に重要です。Securitas社のような事例を耳にするたび、自分たちのツールが組織の業務効率化を支援し、競争優位性の強化に貢献していることを実感します。すべての企業でこのように洗練されたEA実践が実現すれば、と願わずにはいられません。
元LeanIX北ヨーロッパ地域セールスディレクター Jeroen van der Reijken氏
SAP LeanIXの導入が進み、自社のEA、そしてEAがビジネスをどうサポートするかが明確になるに連れ、さらなる最適化やベストプラクティス導入のチャンスが広がっています。これを受け、Securitas社のEAチームは、今後12~18か月のロードマップと目標を策定しました。Westernacherは、SAP LeanIXが完全に定着・運用されるまで、引き続きこの取り組みを支援していきます。
Securitas社のような事例を耳にするたび、自分たちのツールが組織の業務効率化を支援し、競争優位性の強化に貢献していることを実感します。
元LeanIX北ヨーロッパ地域セールスディレクター Jeroen van der Reijken氏
Securitas社について
世界をより安全な場所にすることを使命とする、世界有数のセーフティ・セキュリティソリューションパートナーです。約90年にわたる豊富な経験から、表面化しにくいリスクも見逃しません。お客様とパートナーシップを組み、テクノロジーを活用して、革新的かつ包括的なアプローチでセキュリティ業界に変革をもたらします。45の国や地域に35万8,000名の従業員を擁するグローバル性から、世界を違った角度から捉え、「人」と「資産」というお客様にとって最も重要なものを保護することで、持続可能な価値を生み出しています。
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