SAP Business Suite
これまで企業資源計画(ERP)ソリューションはオンプレミスでホストされ、多額のインフラ投資やITメンテナンスが必要でした。クラウドコンピューティングの台頭により、柔軟でコスト効率の高い選択肢として、SAP Business Suiteが新たに登場しました。その中核を担うS/4HANA Public Cloud ERPは、インターネット経由で包括的なERP機能にアクセスできるSaaS(Software as a Service)ソリューションであり、高額なハードウェアやオンサイト管理を必要としません。クラウドベースのシステムは、組み込みAI、リアルタイムのデータアクセス、スケーラビリティ、自動更新、堅牢なセキュリティとコンプライアンスを備え、あらゆる規模の企業で活用できます。クラウド技術を取り入れることで、業務効率の向上、コラボレーションの強化、競争力の維持を実現できます。
SAP S/4HANA Public Cloudとは?
SAP S/4HANA Public Cloudは、企業が俊敏性、スケーラビリティ、効率性をもってデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できるよう設計された、新しいSAP Business Suiteの中心となる次世代クラウドベースERPソリューションです。業界のベストプラクティスとインテリジェントオートメーションをサポートするフルマネージドSaaSソリューションは、すぐに使えるだけでなく、継続的に更新されるというメリットもあります。また、クラウドERP導入を支援するGROW with SAPの基盤となるソリューションです。
業界別:ERPパブリッククラウドがもたらす利点
SME
少ない初期費用とスケーラビリティで、多額の設備投資を行うことなく高度なERP機能を利用可能
卸売流通
サプライチェーンの調整を効率化
ハードウェアやITインフラの必要性を最小限に抑える
運用コストを削減
高いスケーラビリティでビジネスの成長や季節変動に柔軟に対応
レスポンスタイム短縮で顧客サービスを強化
小売
柔軟性とリアルタイムデータの活用で、在庫管理、販売追跡、顧客関係管理を最適化
製造
業務を効率化
サプライチェーン管理を改善
生産性を向上
建設
統合プロジェクト管理とコスト管理の機能を統合
財務データとプロジェクト運営を連携することで、監視体制と業務効率を強化
シンプル化、拡張、安全性の確保
SAP S/4HANA Public Cloudの主な利点
総所有コスト(TCO) の削減
サブスクリプションベースの価格設定で費用が予測可能
メンテナンスやカスタマイズの負担を軽減
迅速な導入で価値創出
迅速かつ柔軟な導入
シンプルなオンボーディング
スケーラビリティと柔軟性
グローバルおよび複数地域への拡大をサポート
ワークロードの変化にリアルタイムで対応
継続的なイノベーション
年2回の更新で新機能を提供
AI、機械学習、RPAを標準搭載
最先端のイノベーションを活用
ユーザーエクスペリエンス
の向上
受賞歴のある使いやすいデザイン
AIとリアルタイム分析でより的確なインサイトを提供
モバイルファーストデザインで生産性を向上
堅牢なセキュリティと
コンプライアンス
GDPRやIFRSなどの規制に対応
定期的なセキュリティ更新
インテリジェントな業務運用
SAP HANAデータベースでリアルタイムにデータを処理
予測分析とAI搭載ツールを活用
計画、実行、分析を統合的に管理
SAPエコシステムとの統合
人事、調達、経費管理を合理化
APIを使ってサードパーティアプリと統合
持続可能性と環境への配慮
エネルギーおよびリソース消費を最適化
コアビジネスに集中
災害復旧機能で業務の継続性を確保
Private Cloud ERPの主な利点
プライベートクラウドERPは、クラウドの柔軟性を活かしつつシステムをより詳細に管理したい企業にとって特に有益です。
既存のSAPユーザーで、企業固有の機能拡張を維持しつつクラウドERPへ移行したい場合は、ECC6からプライベートクラウドERPへのコンバージョンが可能です。
もう1つの大きな利点は、シンプルなコスト構造です。従来のオンプレミスERPでは、ソフトウェアとハードウェアを別々に購入する必要がありました。プライベートクラウドでは、ソフトウェアとインフラを統合したサブスクリプションモデルにより、永久ライセンスの購入が不要となります。
既存のSAPユーザーにとって、ブラウンフィールド移行が可能なことも大きな利点です。現在のシステムをそのままプライベートクラウド環境へ移行し、設定やデータを維持できます。一方、SAPのパブリッククラウドではグリーンフィールド導入が必要となり、新しいシステムをゼロから導入する必要があります。
より高度な管理とカスタマイズ
近年、パブリッククラウドERPソリューションは大きく進化し、プライベートクラウドとほぼ同等の機能を提供するようになっています。また、パブリッククラウドは拡張性が高く、特定のニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。
パブリッククラウド
vs. プライベートクラウド
比較してみよう
1
比較項目
インフラ
パブリッククラウド
サードパーティプロバイダー(通常はSAP)がホストし、
複数のユーザーで共有
vs.
プライベートクラウド
単一の企業専用(オンプレミスまたはホスト型)
2
比較項目
コスト
パブリッククラウド
コスト効率の良い従量課金モデル
vs.
プライベートクラウド
専用リソースが必要なため一般的に高コスト、
導入期間も長め
3
比較項目
スケーラビリティ
パブリッククラウド
実質的に無制限のリソースで高いスケーラビリティを実現
vs.
プライベートクラウド
スケーラブルだが、大規模な投資が必要な場合あり
4
比較項目
保守管理
パブリッククラウド
クラウドプロバイダーが管理し、年2回の自動更新あり
vs.
プライベートクラウド
企業またはサードパーティプロバイダーが管理、
アップグレードは任意
5
比較項目
アクセシビリティ
パブリッククラウド
インターネット経由(堅牢なセキュリティ対策あり)
vs.
プライベートクラウド
プライベートネットワーク経由
6
比較項目
セキュリティ
パブリッククラウド
SAPが管理するセキュリティ標準に準拠
vs.
プライベートクラウド
カスタマイズ可能なセキュリティ対策
7
比較項目
管理
パブリッククラウド
インフラに対する管理は限定的
vs.
プライベート
インフラをより細かく管理可能
比較項目 | パブリッククラウド | プライベート |
---|---|---|
インフラ | サードパーティプロバイダー(通常はSAP)がホストし 複数のユーザーで共有 | 単一の企業専用(オンプレミスまたはホスト型) |
コスト | コスト効率の良い従量課金モデル | 専用リソースが必要なため一般的に高コスト 導入期間も長め |
スケーラビリティ | 実質的に無制限のリソースで高いスケーラビリティを実現 | スケーラブルだが、大規模な投資が必要な場合あり |
保守管理 | クラウドプロバイダーが管理し、年2回の自動更新あり | 企業またはサードパーティプロバイダーが管理 アップグレードは任意 |
アクセシビリティ | インターネット経由(堅牢なセキュリティ対策あり) | プライベートネットワーク経由 |
セキュリティ | SAPが管理するセキュリティ標準に準拠 | カスタマイズ可能なセキュリティ対策 |
管理 | インフラに対する管理は限定的 | インフラをより細かく管理可能 |
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