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SAP Cloud ALMで安心のプロジェクト管理

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SAP Cloud ALMによって、SAP導入のプロジェクト管理が大きく変わろうとしています。このクラウドベースのアプリケーションライフサイクル管理ツールは、特にSAP S/4HANA Cloudプロジェクトに取り組む企業に多くのメリットをもたらします。包括的な機能、組み込みのベストプラクティス、使いやすいインターフェースを兼ね備え、最新のSAP導入に欠かせない存在となっています。

このソリューションの最大の強みの1つは、デプロイメントや設定作業なしにすぐに利用できる点です。プロジェクトチームは、簡単なオンボーディングを行うだけですぐに作業を開始できます。

プロジェクト管理

SAP Cloud ALMには、SAP Activateのコンテンツとベストプラクティスがあらかじめ組み込まれています。事前定義されたコンテンツには、詳細なロードマップ、アクセラレータ、プロセステンプレートなどがあり、導入プロジェクトの立ち上げにかかる時間を大幅に短縮できます。

文書の一元管理もSAP Cloud ALMの特長です。プロジェクトに関連する資料をすべて1か所に保存できるため、トレーサビリティが向上し、チームメンバー全員が必ず最新バージョンを参照できます。また、文書のタグ付けや分類が可能で、たとえば設定ガイドやトレーニング資料としてタグ付けして分類すると、簡単に検索することができます。さらに、要件やテストの不具合といった他のプロジェクト要素とリンクさせるなど、関連情報を網羅したライブラリを作成できます。ステータス追跡や承認ワークフローに対応したリッチテキストベースの文書、優れたプロジェクト管理ツールの前提条件とも言われるガントチャートも標準搭載されており、スプリント、ユーザーストーリー、バーンダウンチャートなど、アジャイル手法に基づく分析機能もサポートしています。

SAP Cloud ALMは、技術的な設定だけにフォーカスするのではなく、ビジネスプロセスを起点とした導入アプローチを推奨しています。これにより、プロジェクトライフサイクル全体において、ビジネス目標に沿った導入が実現します。SAP Activate方法論の一部としてSAPが提供するアクセラレータを活用すると、Fit-to-Standardワークショップをより効率的に実施できます。すべてのアクセラレータは、導入ソリューションのActivateロードマップをインポートする際に作成されるタスクに自動的にリンクされます。

標準プロセスライブラリやSAP Signavioとの連携も可能で、SAP SignavioからSAP Cloud ALMへレプリケートするカスタムプロセスモデリングもサポートされています。これらのプロセスライブラリはFit-to-Standardワークショップの出発点として最適であり、ワークショップ中に生じた要件、ユーザーストーリー、プロセスのバリエーションも標準プロセスとして直接文書化できるため、ビジネスニーズとそれを実現するための導入判断を明確に結び付けることができます。

テストと品質保証

SAP Activate方法論の一環として、各フェーズの終了時にクオリティゲートを完了し、クライアントの承認を得る必要があります。SAP Cloud ALMは、クオリティゲートのチェックリスト項目を管理し、クライアントとの合意形成を図るツールとして活用できます。別のファイルやチェックリストが不要となり、すべての情報を一元管理できるため、将来必要になった場合に参照する単一のリポジトリとしても使用できます。

SAP Cloud ALMは、手動と自動の両方に対応する優れたテスト機能を備えています。SAPが提供するS/4HANAの標準プロセス用に事前定義されたベストプラクティステストケースをSAP Cloud ALMにインポートすると、テスト準備の手間を大幅に削減できます。また、Tricentis Test Automationなどのツールを使ってテストを自動化することで、回帰テストをより効率的に行えます。

テストフローに不具合管理が組み込まれているため、問題の記録、追跡、解決を容易に行えます。テスト、不具合、当初の要件やプロセスが明確に関連付けられているため、導入中に何かが見落とされる心配もありません。

ちょっとしたヒントもお伝えしておきます。よくあるシナリオのテストケーステンプレートを作成しておくと、SAP Cloud ALMのコピー機能を使って簡単にバリエーションを作成できます。詳細なテスト手順と期待される結果も併せて記載しておくことで、テスト担当者は一貫した方法でスムーズにテストを実施できます。

デプロイメント管理

SAP Cloud ALMのデプロイメント管理機能は、本稼働システムへの移行を支援します。複数のプロジェクトにまたがるタイムラインやシステムグループをまとめたデプロイメント計画を作成し、リリースの最後にデプロイメントを実施するよう各リリースを割り当てます。リリースは、本稼働環境に適用されるフィーチャや要件を管理します。1つのデプロイメントに複数のリリースを含めることができます(調達プロセスと販売プロセスを同時に本稼働など)。こうしたリリース管理は、異なるシステムやチーム間で調整が必要な場合に非常に有効です。

SAP Cloud ALMの移送管理は、SAPランドスケープ全体の変更を管理する中央制御ポイントとして機能し、ソリューションの種類に応じて異なる移送メカニズムを提供します。

  • S/4HANA Public Cloud Edition向け適応移送オーガナイザ(ATO)
  • S/4HANAオンプレミスおよびPrivate Cloud Edition向け移送/修正システム(CTS)
  • その他のSAPクラウドソリューション向けSAP Cloud Transport Managementサービス(cTMS)

包括的な制御とトレーサビリティにより、各移送依頼はフィーチャのコンテキスト内で追跡され、ビジネス要件から技術導入までの監査証跡が作成されます。

SAP Cloud ALMは、S/4HANA Public Cloudの導入において移送時によく発生する問題を回避できるよう、依存関係をチェックし、開発・品質・本稼働の各環境に対して変更が正しい順序で適用されるようサポートします。さらに、フォワードやインポートを自動化することで、新しいフィーチャを本稼働環境へ効率的にデプロイします。

分析とレポート作成

SAP Cloud ALMには、分析およびレポート作成機能が標準搭載されています。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進捗状況、テストカバー率、不具合の傾向など、さまざまな指標をリアルタイムで表示するダッシュボードにアクセスできます。全体像を把握するための高度なレポートが多数用意されており、特定の領域を掘り下げて詳細に分析するドリルダウン機能、アジャイルプロジェクト向けのバーンダウンチャート、複数プロジェクトを俯瞰するプログラムレベルの分析ビュー、プロジェクトスケジュールに影響が出る前にボトルネックやリスクを特定する傾向分析機能などを使用できます。これらの分析ツールは、経営層向けのハイレベルなレポートから、プロジェクトチーム向けの詳細な業務指標まで幅広くカバーし、ビューをパーソナライズして保存できる柔軟性も備えています。

成功のための実践的なヒント

SAP Cloud ALMを使ったプロジェクトでは次の点を考慮することをお勧めします。
    1.  DDAアップロード機能で初期スコープを作成し、時間を節約する。
    2.  SAP Activateロードマップや各種アクセラレータなど、事前定義されたコンテンツを活用し、プロジェクトの立ち上げや導入作業の手間を大幅に削減する。
    3.  プロジェクトの初期段階で、文書、要件、その他のプロジェクト成果物の明確な命名規則を設定する。
    4.  タグを活用してプロジェクト要素を分類・フィルタリングする。プロジェクトの規模や複雑さが増すに連れてその価値が高まる。
    5.  SAP Central Business Configurationなど、他のSAPツールとの統合機能も積極的に利用する。

おわりに

SAPは、定期的なアップデートでCloud ALMの機能拡張を継続的に行っています。ロードマップで計画されている機能強化には、テスト、デプロイメントオーケストレーション、監査などが含まれます。クラウドネイティブなアーキテクチャにより、常に最新の機能にアクセスできます。

SAP Cloud ALMを検討中、またはすでに利用中の企業にとって重要なのは、その統合性をフル活用することです。単なるプロジェクト管理ツールとして使うのではなく、プロセス設計からデプロイメントまでを一貫して支援するプラットフォームとして使用することで、プロジェクト成功の可能性が高まり、複雑なSAPプロジェクトを首尾よく管理するための可視性を手に入れ、的確な意思決定を推進できます。

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