カーボンニュートラルを記録的な速さで達成する方法

Westernacher CO2モニター

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掲載日:2021年7月1日 – Westernacher Consulting、マネージングディレクター、Dr. Oliver Blau

気候変動は、現代社会が抱える大きな問題のひとつです。私たちは、「nonstop innovation(たゆまぬ革新)」をスローガンに活動するコンサルティング企業としてこの問題の解決に貢献すべく、環境への影響を減らすことに全力で取り組んでいます。「まあまあ減らせた」では不十分です。ネットゼロ、またはそれ以上を目指さなければなりません。長く厳しい道のりに思えました。しかし、嬉しいサプライズがあったのです。

数か月前に環境と気候への影響を改善することを検討した際、弊社がCO2を過剰に排出していることは認識していましたが、具体的な量を把握できませんでした。そこで、カーボンニュートラルを実現するためのマスタープランが必要だということに気付きました。そして、長く困難な挑戦になるだろうと考えていました。

ところが、私たちのカーボンニュートラルマスタープランは、意外にも非常にシンプルなものでした。ビジネス&ITコンサルティング企業としての強みを活かし、次のようなアクションプランを立てました。

  1. CO2排出量を透明化する
  2. 適切な対策を導き出して議論する
  3. カーボンニュートラルに向けた対策を実行・調整する

このアプローチを使って、数年以内にカーボンニュートラルを達成するという目標を設定しました。

計画

まず、2021年の活動を体系的に計画・開始し、カーボンニュートラル達成への第一歩を踏み出すための予算を確保しました。大まかな計画では、2021年第1四半期にツールを決定し、モデルのフレームワークを設定したら、第2四半期にそのモデルをもとにプロトタイプを導入することにしました。そして、2021年後半に最初の対策を定義・実行し、対策の効果を確認して2022年に向けた改善点を検討する予定でした。

Westernacher CO2モニター

疑問点:

当初から、簡単に構築でき、費用対効果が高く、次のような疑問を解消して意思決定プロセスをサポートしてくれるITソリューションが必要であることは明らかでした。

  • ビジネス活動による直接排出量は何トンか
  • 排出量の主な要因は何か
  • 排出量削減への取り組みが短期的・長期的に排出量をどう改善するか
  • 結果を提示して主要ステークホルダーと話し合う最良の方法は何か
  • カーボンニュートラル達成に向けた最良のシナリオとは何か

さらに、基礎となるモデルは、排出係数などの基本的なパラメータを柔軟に変更できるものでなければなりません。

ランドスケープ:

幸いにも、最近S/4HANAに移行した弊社のSAP ERPシステムには、前述の疑問に関連する基本情報が含まれていました。近年のお客様とのプロジェクトでは、ダッシュボードを作成してすばやく簡単に情報を視覚化するツールとして、SAP Analytics Cloudを使用してきました。このため、短期間に予算内でWesternacher CO2モニターを構築できるという自信がありました。Westernacher CO2モニターは、さまざまな疑問を解消し、内部のステークホルダーとの議論をサポートする頼りになるツールです。

モデル:

サービス業界のコンサルティング企業である弊社では、主な排出源として、使用する機器、オフィス、移動などが挙げられます。これらに関連する領収書や費用は弊社のSAP S/4HANAシステムで確認できますが、CO2排出量を計算するには、個々のビジネス活動にCO2排出量の値を割り当てるモデルを設計する必要がありました。そこで、領収書をS/4HANAシステムに記帳する方法への限定的な変更を行いました。これは、たとえばタクシーと公共交通機関など、移動手段によってCO2排出量が大きく異なるため、活動をより正確に測定する必要があったからです。

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すべての排出源を特定し、排出係数でビジネス活動を評価した後、SAP S/4HANAの排出源をSAP Analytics Cloudと接続しました。将来、独立第三者機関による認証などで異なる係数の使用が推奨された場合に備え、すべての係数は完全にカスタマイズ可能です。

ダッシュボード:

弊社のアナリティクスチームがSACの機能を使ってデータを分かりやすく視覚化し、フィルタやドリルダウンが可能な集計ビューを作成しました。

dsahboard carbon neutral dashboard overview

CO2排出量の可視化や、カーボンニュートラルを達成するための取り組みに関する意思決定をサポートする明確な根本原因分析を即座に行うことができました。

対策

Westernacher CO2モニターにより、次のような事実が明らかになりました。

  • 弊社の業務において移動が最大のCO2排出源であることは明らかだが、パンデミック以前はこの移動による排出量が全体の約90%を占めていた
  • その中でも飛行機が移動による排出量の75%を占めている
  • パンデミック中は移動が制限され、在宅勤務でプロジェクトデリバリーを行うという変化が生まれ、移動による排出量が約70%削減された
  • 排出量の最大10%はオフィスのエネルギー消費に起因する
  • パソコン、画面、携帯電話などの使用によるCO2排出量はそれほど多くない(5%未満)

こうした調査結果から、取るべき対策が明確になりました。

  • 移動を減らす
  • 移動が必要な場合、可能な限り車や飛行機ではなく電車を使う
  • オフィスを再生可能エネルギーに切り替える
  • 残りの排出量を相殺する

カーボンニュートラルの達成 – (ほぼ)瞬時に

Westernacher CO2モニターで、排出量の推移をいつでも確認できるようになりました。実施した対策が想定内かどうか、残りの排出量を相殺するためにどれくらいの投資が必要かなどを継続的に監視できます。いずれにせよ、カーボンニュートラル達成は厄介なものではない、ということが分かりました。最新のITとビジネスセンスがあれば解決できる問題です。

私たちWesternacherは、事実を把握し、透明性を確保することで、2030年でも2050年でもなく、2021年現在、カーボンニュートラルを実現できたのです。

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